エンジニアの副業確定申告は弥生でいい。3プランの選び方を実体験で解説


副業やってるエンジニアが、年明けに必ずぶつかる壁——確定申告。

「弥生って聞くけど、どれを選べばいい?」「freeeのほうがいいって聞くけど、本当?」と迷っているなら、結論から言う。副業エンジニアの確定申告は、弥生で十分やれる。 俺自身、本業はフリーランスのエンジニアで、副業もまとめて確定申告に乗せている。弥生は2021年から、もう5年目の付き合いだ。

この記事では、弥生3プランの選び方、副業エンジニアの所得区分(雑所得 or 事業所得)の判定、PCや書籍・サブスクといったエンジニア特有の経費の入力例まで、実体験ベースで全部書く。読み終わるころには、確定申告の段取りが頭に入ってるはずだ。


結論:副業エンジニアの確定申告は弥生で問題なし

副業の年商が数十万〜数百万くらいの規模なら、弥生で困ることはまずない。

弥生で進めて困らない3つの理由

ひとつめ、機能が副業規模に対して十分だ。複式簿記も、青色申告特別控除65万円対応も、e-Tax連携も標準で入ってる。エンジニアの副業で「弥生だと足りない」と感じる場面は、法人化するか売上が数千万を超えるあたりまでまず来ない。

ふたつめ、価格が圧倒的にやさしい。やよいの白色申告オンラインは「ずっと無料」プランがあるし、やよいの青色申告オンラインも初年度無料キャンペーンがある。副業を始めたばかりで「ソフト代でいきなり1万円超」は地味にきついから、ここは大きい。

みっつめ、国内シェアトップで情報量が圧倒的。確定申告期に詰まっても、検索すれば誰かが同じ詰まり方をして解決してる。マイナーなクラウド会計だと「自分しか踏んでないバグ」みたいな状況になりがちだが、弥生はその心配が薄い。

ただし「向かない人」もいる

正直に言うと、弥生が万能ってわけじゃない。

  • すでに法人化していて、月次でガッツリ管理会計まで回したい
  • 海外決済・多通貨が売上の主軸(Stripe USD、PayPalなど)
  • 銀行・カード連携の自動化に強くこだわりたい

このあたりに当てはまるなら、freeeやマネーフォワードクラウドのほうが快適なケースもある。逆に言えば、それ以外の副業エンジニアなら、弥生で迷う必要はない。


弥生3プランの選び方:白色・青色・弥生会計

弥生の確定申告系プランは大きく3つある。選び方は「開業届を出してるかどうか」でほぼ決まるので、まずそこを軸に考えてほしい。

やよいの白色申告オンライン:開業届を出してない人向け

開業届を出していない、もしくは副業を雑所得として申告するつもりなら、これでいい。

  • 白色申告(簡易簿記)対応
  • ずっと無料プランあり
  • シンプルで迷う場面が少ない

副業の最初の年、まだ事業として固める覚悟が決まってないフェーズで、とりあえず申告だけ済ませたい——そういうときに刺さる。俺の友人の副業エンジニアでも「初年度はこれで様子見」というケースが多い。

ただし、青色申告特別控除(最大65万円)は使えない。年間の利益が大きくなってきたら、次に紹介する青色申告オンラインに乗り換えることになる。

やよいの青色申告オンライン:開業届を出した副業エンジニア向け(本命)

開業届を出したなら、ほぼこれ一択。俺もこれを使ってる。

  • 複式簿記対応で、青色申告特別控除65万円が狙える
  • e-Tax提出にも対応(控除65万円の条件のひとつ)
  • 初年度無料キャンペーンあり

「開業届を出した副業エンジニア」という想定で記事を書くなら、本命プランはこれになる。年間で数十万円の利益が出ているなら、控除65万円のインパクトはばかにならない。所得税+住民税で、ざっくり年5〜13万円くらいの節税になる人が多い。

弥生会計オンライン:法人化するなら

副業から個人事業主へ、さらに法人化を考え始めたら、弥生会計オンラインに切り替えることになる。ただし、副業フェーズではまず必要ない。「将来こっちに乗り換えるルートがある」と頭の片隅に置いておけば十分だ。

判定フローチャート

迷ったらこれで決めてくれ。

開業届を出してる?
├─ No  →  やよいの白色申告オンライン
└─ Yes
   └─ 法人化してる?
      ├─ No  →  やよいの青色申告オンライン  ← 副業エンジニアの本命
      └─ Yes →  弥生会計オンライン

副業エンジニアの所得区分:雑所得か事業所得か

ここはYMYLゾーンなので最初に断っておく。最終判断は税務署または税理士に確認してくれ。 この記事はあくまで一般情報の整理だ。

副業エンジニアにとって、所得区分(雑所得 or 事業所得)は税額を大きく左右する論点だ。同じ売上でも、扱い次第で何万円も差が出る。

2022年通達で何が変わったか(300万円ルール)

2022年、国税庁が副業の所得区分について通達を出した。当初の案は「年間収入300万円以下の副業は原則として雑所得」だったが、パブリックコメントで反発を受けて、最終的に**「帳簿書類の保存がない場合は雑所得が原則」**という方向に修正された。

つまり、年商300万円以下でも、ちゃんと帳簿をつけていれば事業所得として認められる余地があるということだ。

帳簿の有無で判定が分かれる

ここが弥生の出番だ。やよいの青色申告オンラインで複式簿記をつけていれば、帳簿はある状態になる。

逆に、領収書を引き出しに突っ込んでるだけ、エクセルで適当にメモしてるだけ、という運用だと「帳簿なし」と判定されるリスクが高い。

事業所得にしたいなら開業届+青色申告で帳簿

事業所得を狙うなら、ステップは3つ。

  1. 税務署に開業届を出す(やよいの開業届ツールやfreeeの開業ツールが無料で使える)
  2. 青色申告承認申請書も一緒に出す(同じタイミングで出すのが楽)
  3. やよいの青色申告オンラインで複式簿記をつける

開業届と青色申告承認申請書は、副業を始めた年の3月15日までに出すのが基本。タイミングを逃すと、その年は青色申告できないので注意してくれ。

雑所得でも弥生は使えるか

使える。やよいの白色申告オンラインで、所得区分を「雑所得(業務)」にして入力できる。副業20万円以下のラインで「とりあえず計算だけ」したい人にも使える。

ただ、長期的には事業所得+青色申告のほうが節税効果が高いので、規模が育ってきたら切り替えを検討してほしい。

※ 所得区分の最終判断は、迷ったら税務署または税理士に確認するのが確実。Twitterや個人ブログ(この記事も含めて)の解釈は参考程度にとどめてほしい。


エンジニア特有の経費を弥生でどう入力するか

ここがこの記事の本丸だ。エンジニアの副業には、他業種にはない経費パターンがある。「これって経費にしていいの?」「弥生でどの科目に入れるの?」を、ひとつずつ片付けていく。

PC・周辺機器(一括 or 減価償却の境目)

PCは金額帯で扱いが変わる。ざっくり覚え方は4段階だ。

取得価額扱い弥生での科目
10万円未満全額一括経費消耗品費
10万〜20万円一括 or 一括償却資産(3年均等)工具器具備品
20万〜30万円少額減価償却資産の特例(青色申告者・年300万円まで)工具器具備品
30万円以上通常の減価償却(PCは耐用年数4年)工具器具備品

書籍・技術書(新聞図書費)

技術書、ビジネス書、雑誌、Kindle、Audible(ビジネス系コンテンツ)あたりは、新聞図書費で計上できる。

「副業に関係する書籍か」がポイント。エンジニアなら、技術書・マネジメント書・統計書あたりは説明がつくが、ミステリー小説や趣味の漫画は厳しい。線引きは「業務との関連を聞かれたときに説明できるか」だ。

サブスク(GitHub Copilot / ChatGPT Plus / AWS / ドメイン)

エンジニアの副業ならではの経費がここ。具体的には:

  • GitHub Copilot
  • ChatGPT Plus / Claude Pro
  • AWS / GCP / Azure などクラウド利用料
  • Vercel / Netlify
  • Notion / Linear / Figma
  • ドメイン代・SSL代
  • Adobe Creative Cloud

弥生での科目選びは正直、唯一の正解はない。俺は次のように分けてる。

  • インフラ系(AWS・Vercel・ドメイン)→ 通信費 または 支払手数料
  • 開発支援ツール(Copilot・ChatGPT・Notion)→ 諸会費 または 支払手数料
  • デザインツール(Adobe・Figma)→ 諸会費

大事なのは「毎年同じ科目に入れて一貫させる」こと。年によって科目がブレると、税務署に「経費の区分基準は?」と聞かれたときに説明しづらくなる。

通信費・電気代(家事按分の現実的な比率)

自宅で副業をしてるなら、家のネット回線・スマホ・電気代の一部を経費にできる。これが家事按分だ。

按分比率は「副業に使った割合」で決める。現実的なラインは:

  • ネット回線:30〜50%(在宅副業がメインなら50%もアリ)
  • スマホ:20〜30%(プライベートと混ざるので控えめが無難)
  • 電気代:10〜30%(作業時間ベースで算出)

100%にしたいなら副業専用回線・専用スマホを契約するのがクリーンだ。

勉強会・カンファレンス参加費・交通費

技術カンファレンス、勉強会、有料ウェビナーは経費になる。

  • 参加費 → 研修費 または 諸会費
  • 会場までの交通費 → 旅費交通費
  • 懇親会費 → グレー(業務関連を説明できるなら 会議費

オンラインカンファレンスのチケットも、副業に関連するなら堂々と研修費で落とせる。

コワーキングスペース代

コワーキングを副業作業に使ってるなら、月額利用料は経費になる。

  • ドロップイン・月額会員 → 賃借料 または 地代家賃

カフェで作業した時のコーヒー代は、業務との関連を聞かれると説明が難しい。会議で人と会ったときの 会議費 ならOKだが、ひとり作業の都度コーヒーは経費に入れないほうが無難だ。

弥生での科目の選び方とつまずきポイント

弥生(青色申告オンライン)で経費を入力するときのコツを3つ。

1. カスタム科目を作りすぎない 弥生は補助科目を自由に作れるけど、増やしすぎると翌年の自分が混乱する。最初は標準科目10個前後で始めて、必要に応じて足すのがいい。

2. スマート取引取込を使う 銀行口座・クレカを連携させると、明細が自動で取り込まれて科目を提案してくれる。最初に「このサブスクは諸会費」とルール登録すれば、翌月から自動仕訳になる。手入力は一気に減る。

3. 領収書はクラウドへ 紙の領収書は、買った日のうちにスマホで撮ってクラウドに上げる。弥生にも領収書アップロード機能がある。年明けに「あの領収書どこ行った……」をやらない仕組みを作っておくと、確定申告期の精神状態が全然違う。


確定申告までのタイムライン(11月〜3月)

副業エンジニアが弥生で確定申告を乗り切るための、現実的な時期別タスクをまとめておく。

11〜12月:今年分の領収書・取引データ整理

12月までの取引を、年内のうちに弥生に入れ切る。ここで手を抜くと、2月にクソ忙しくなる。

  • 銀行・クレカ連携の取り込み確認
  • 領収書のスキャン・登録
  • 「あの月の経費入れたっけ?」を月次で潰す

**「11月までに10月分まで完了、12月末までに11月分まで完了」**くらいのリズムが現実的だ。12月分を放置すると、2月に12ヶ月分まとめて入力するハメになって死ぬ。

1月:マイナンバーカードと電子申告の準備

e-Taxで提出するなら、マイナンバーカード+ICカードリーダー、もしくはマイナポータル連携のスマホアプリを準備しておく。

青色申告特別控除65万円を狙うなら、e-Tax提出が条件だから、ここをサボると控除が55万円に減る。年5万円くらい税金で損する計算になるので、絶対やってほしい。

2月:弥生で確定申告書作成

2月16日〜3月15日が確定申告期。弥生の青色申告オンラインなら、決算書と確定申告書をボタン操作で生成できる。

  • 帳簿のチェック(仕訳漏れ・科目ミス)
  • 減価償却の登録
  • 青色申告決算書の出力
  • 確定申告書Bの作成

「2月の最初の週末に半日かけて作る」くらいの感覚で、まず仕上げてしまうのがおすすめだ。3月にズラすと、e-Taxサーバーが混んで地味にストレスがかかる。

3月15日:e-Taxで提出

確定申告期限は毎年3月15日(土日の場合は翌平日)。弥生から直接e-Tax送信できるので、PCに向かって10分で終わる。

提出後、納税は別途。振替納税の手続きをしておくと、4月下旬に口座から自動引き落としになる。これも忘れずに。


よくある質問

副業20万円以下なら確定申告いらない、って本当?

半分本当。 正確には、所得税の確定申告は不要だが、住民税の申告は必要だ。

「年間20万円以下なら申告不要」というルールは所得税だけの話で、住民税には20万円ルールがない。市区町村の役所に住民税申告をする必要がある。「確定申告すれば住民税の申告も自動で済む」ので、結局20万円以下でも確定申告したほうが楽、というケースが多い。

開業届を出すと会社にバレる?

開業届そのものでは会社にバレない。 税務署と勤務先で情報が連携することはない。

会社にバレる経路は、ほぼ住民税の特別徴収だ。副業分の所得が住民税に乗ると、会社に届く住民税の通知額が同僚より明らかに高くなって、経理が気づく——これがいわゆる「住民税バレ」のパターン。

対策は次のFAQに書く。

副業の住民税は普通徴収にすべき?

前述の住民税バレを防ぎたいなら、普通徴収一択。

確定申告書の第二表に「住民税に関する事項」という欄があって、そこで「自分で納付(普通徴収)」を選ぶ。これで副業分の住民税は会社の給与から天引きされず、自宅に届く納付書で自分で払う形になる。

ただし、自治体によっては副業分の住民税を強制的に特別徴収(給与天引き)にしてしまうケースもあるので、心配なら市区町村の住民税課に「普通徴収にしたい」と事前に相談しておくと確実だ。


まとめ:今年は弥生で乗り切ろう

ここまで読んだあなたは、もう確定申告の段取りが見えてるはずだ。

  • 開業届を出してるなら、やよいの青色申告オンライン(初年度無料)
  • 出してないなら、やよいの白色申告オンライン(ずっと無料プラン)
  • エンジニア特有の経費(PC・サブスク・通信費)は、ちゃんと拾えば数十万単位で経費に乗る
  • 11〜12月から準備、3月15日に提出

「弥生にしようか、freeeにしようか」で何時間も悩むくらいなら、まず初年度無料で弥生を試してみて、合わなかったら来年乗り換えればいい。確定申告ソフト選びで一番損するのは、判断を保留して何もしない期間だ。

俺たちが副業で稼いだ金は、できるだけ手元に残したい。今年こそ、ちゃんと節税して終わらせよう。